ケガをした時によく聞く言葉ですが、この“無理”の基準は人によって大きく異なります。
場合によっては、その基準の誤解が回復を遅らせてしまうこともあります。
今回は、先月から膝痛改善のためにお越しいただいている50代女性・高橋さん(仮名)のお話です。
高橋さんは病院で「無理をしないで」と言われ、極力膝を曲げない生活を続けておられました。
そのため、初回のセッションでしゃがんでもらったところ、うまくしゃがめない状態になっていました。
膝を曲げない生活が続くと、筋肉や関節が“使われない状態”に慣れてしまい、本来の可動域が出にくくなります。
さらに、脳がその動きを「必要ないもの」と判断して使い方を一時的に忘れてしまうことがあります。
いわゆる“動作の記憶(運動パターン)”が弱くなる状態です。
その結果、シンプルなしゃがむ動きでも、筋肉の連動が起きにくくなってしまいます。
私もどうにか力になれないかと身体の状態をお調べし、原因となりそうな筋肉を緩めたり、弱くなっている部分を活性化させたりと試行錯誤していました。
しかし、膝の状態は一進一退。
そんなある時、高橋さんから「もう少し動きたいです」というご要望がありました。
高橋さんは学生時代からスポーツを続けられ、今もバレーボールや登山などを楽しまれているアクティブな方です。
これからもずっと運動を続けていきたいという思いがありました。
そのご要望をきっかけに、“動かしながら整えていく”運動プログラムに切り替えたところ、膝のコンディションは次第に上がっていき、今では軽いジャンプでも痛みが出ないところまで回復されました。
痛みのない範囲で動かすことで、関節まわりの血流や神経の働きが整い、本来の安定性が戻りやすくなるケースは珍しくありません。
「無理をしないで」という言葉は優しさですが、少し説明が足りないことがあります。
アークスでは、「痛みが出ない範囲で正しく動かし、徐々に強度を上げていく」というステップを大切にしています。
同じように、動かすことで改善が進むタイプの膝痛の方は多くいらっしゃいます。
もし今の痛みや不安があれば、無理の基準を一緒に整理することもできますので、どうぞ気軽にご相談ください。